2010年01月21日

インプラント使い回し事件

こんにちは、中平です。
先日から、表題のニュースが世間をにぎわせており、非常に残念に思っています。それでなくとも昨年から、インプラント治療に対して不安感を持たれる報道があったというのに、ますます安全性が疑問視されているのではないかと、残念で仕方がありません。

問題の歯科医院で、実際にどのようなことが行われたのか、確かなことはわかりませんが、くっつかなかったインプラントを、他の人に使うとは、考えられないことです。インプラント治療は、骨とインプラントがくっつくからできる治療ですが、100%必ずくっつくわけではありません。一般的に2〜3%はくっつかないと言われており、私の症例でも、1〜2%の割合で、一度では成功しない場合があります。
くっつかない原因は様々で、骨の質やかみ方、喫煙、あるいはインプラントそのものに何らかの原因があったりします。メーカーも、その1〜2%の失敗原因を探ろうと、くっつかなかったインプラントは全て回収して新しいものと交換し、研究しています。それなのに、いくら滅菌したとしても、一度失敗した材料を、再度別の人に使うなど、考えられないことです。このようなニュースで、インプラント治療そのものに不信感を持たれるのは、許せません。私を含め、ほとんどの歯科医院では、安全な治療を行っていることを知ってほしいと思います。

今回のニュースは、私と同業者ではありましたが、こうしたことは程度の差こそあれ、日本中で起こっているように思います。政治とカネの問題にしろ、少し前の食品偽装問題にしろ、組織や業界云々というより、日本人全体のモラルが低下していることの表れではないでしょうか。今テレビドラマにもなっている「坂の上の雲」は、明治の開国の礎を築いた秋山兄弟の話ですが、当時の日本人は、一人ひとりが良い国を作ろうという意識を持っていたように感じます。それがいつの間にか、個人主義から個人偏重主義、ひいては自分さえ良ければ、と考える人が増えたのではないでしょうか。

私は、困っている患者さんを救うために、歯科医になりました。初心を忘れず、襟を正し、毅然とした態度で治療をしていきたいと思います。


インプラント治療ならワンデイインプラント専門の東京銀座歯科 東京銀座インプラントセンター
hiroshitgic at 16:58│Comments(0)

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