2006年02月24日

耐震強度偽装問題?

近頃は騒ぎが下火になった感のある耐震強度偽装問題。姉歯元建築士は鉄筋の本数を減らしてコストを下げるよう、設計図を改ざんしました。そのため強度不足の違法建築となり、人道的にも許されない結果となりました。
ところがインプラント治療においては、この「本数を減らす」という考え方が適切な場合もあるのです。
以前は、失った歯1本に対して、インプラントを1本、という考えで埋めていました。そうなると、総入れ歯の方は12〜14本ものインプラントを埋め込まなければいけない、ということになります。本数が増えればそれだけ大掛かりな手術になり、身体にかかる負担がとても大きくなります。個人差はありますが、手術後の腫れや痛みもかなりのものです。そして、金額も本数に応じて高くなります。また、あまりたくさんインプラント体が骨の中にあると、骨内の血流が悪くなり、骨自体の強度が落ちる場合もあります。さらに、たくさんの本数を埋めるためには、骨を作る手術を前もって行う必要があり、負担が大きくなるばかりではなく期間も長くなります。
しかし、今では総入れ歯の方でも4〜6本のインプラントをバランスよく埋入すれば、12本の歯を支えることができる、ということがわかっています。これは、リスボンのDr.マロが臨床を繰り返して、見つけた技法です。これなら身体にかかる負担も軽く、期間も短く、金額もそれだけ抑えることができるのです。
最適な本数のインプラントをバランスよく、これが今後のインプラント治療の主流となるでしょう。

hiroshitgic at 14:54│Comments(0)

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