2008年02月

2008年02月13日

インプラント治療をするとCTやMRIを撮影できないってホント?

CTスキャンこんにちは、中平です。
インプラント治療を希望される患者さんや、治療後の患者さんから、「インプラントを入れたら、CTの撮影はできないんでしょう」「MRIを撮影したいのですが、インプラントがあっても大丈夫ですか」というような内容のお問い合わせをいただくことがあります。結果から言うと問題はございません。
まずは、CTやMRIについて説明しましょう。
CT(Computed Tomography)は、人体の周囲から細いX線を照射して、人体を透過した投影データを集め、コンピュータでそのデータ画像を再構成させて見る、レントゲン診査です。一方のMRI(Magnetic Resonance Imaging)は、「磁気共鳴画像診断」とも呼ばれ、人体に磁気を当てて画像を診断します。すると、体内の水素原子核が磁気に共鳴して微弱な電波を発生します。その電波を受信して画像を作成するのです。
さて、CTを撮影する際には、金属を外すように言われます。これは金属アーチファクトという虚像が写ることを防ぐためです。アーチファクト(Artifact)とは「ノイズ、エラー」というような意味に使われる言葉ですが、金属にX線を当ててレントゲン撮影を行うと、光が乱反射をしたような像が写ります。このアーチファクトのために、肝心の体内の様子が写らないことがあるので、金属を外すのです。ところが、金属すべてにアーチファクトが起こるわけではありません。現在、インプラントのほとんどはチタンでできています。チタンはX線吸収が非常に少なく、CTを撮影してもほとんどアーチファクトが発生しません。実際、インプラントを埋入した方のCTを見ても、歯に被せた金属からは強いアーチファクトが発生していますが、インプラント体からは、ほとんど発生していません。また、MRIの場合は、磁気を当てるため、磁気に反応する金属があってはなりませんが、チタンは磁気に反応しない非磁性金属であるので、撮影することができます。(ただし、インプラントの上部に磁石で着脱する義歯を装着している方はできません)
では、CTやMRIの撮影ができないのは、どういう場合でしょうか。調べてみると、CTでは、埋め込み式ペースメーカーや除細動器を装着している方は撮影できません。連続してX線が照射されると、誤作動を起こす可能性があるからです。一方のMRIも、埋め込み式ペースメーカーや除細動器、人工耳小骨や脳動脈クリップなど、磁気や電気的な刺激で作動する物が体内に埋入されている場合は撮影できません(詳しくは撮影技師にお問い合わせください)。また人工関節や磁力で装着している義眼なども、磁気に反応して振動し、損傷を起こすことがあるため撮影できないそうです。
CTやMRIを撮影する必要があっても、インプラントに関しては心配しなくても大丈夫です。もしもご不明なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
CT画面
hiroshitgic at 15:23|この記事のURLComments(6)

2008年02月07日

加湿器バンザイ!

e3828737.jpgこんにちは、中平です。
私事ですが、先日から少し風邪気味で、喉の痛みが気になります。外の空気が乾燥しているので、なおさら治りにくいように思います。
冬になると、「乾燥注意報」がよく出ますね。これは、シベリアから日本へ吹く冬の季節風が、日本海側で雪や雨を降らせて水分を出してしまい、乾燥した状態で日本に吹くからだそうです。また、空気中に含むことができる水分量は、気温によって変化します。気温が高ければたくさん含まれますが、低くなると少なくなります。ですから、冬の空気中に含まれる水分量はもともと少ないのです。お部屋では、その空気を暖房器具で暖めます。ですから、気をつけないとお部屋の湿度はかなり低くなってしまいます。
空気が乾燥すると、どんなことが起こるでしょう。まず、風邪を引きやすくなります。風邪やインフルエンザのウィルスは、気温と湿度が低いと活発に活動します。特に湿度30%以下では要注意だそうです。
また、肌にも影響が出ます。皮膚がかさかさする肌あれから、ひどくなるとかゆみが出たりひび割れを起こしたりします。また、体の表面だけでなく、のどや鼻の粘膜も乾いてしまいます。すると、外からのウィルスの侵入を防ぐことができなくなります。
さらに静電気が起こりやすくなります。指先が物に触れた時に「バチッ!」と起こる静電気も、冬の乾燥と大いに関係があります。静電気は物と物とが摩擦した時に起こりますが、湿度が高ければ、空気中の水分に放出されます。しかし、乾燥していると体内に溜まってしまい、通電性のあるものに触れた瞬間に一気に流れるのです。静電気は体内だけではなく、物の中にも溜まり、ハウスダストを引き寄せますので、アレルギーやアトピーの症状のある方は、特に気をつけたほうがいいようです。
このように、空気の乾燥は健康によくありません。そこで私は、自宅にも診療室にも加湿器を置いてフル稼働させています。加湿器にもいろいろな種類がありますが、一定の湿度を保ち、空気を汚さない点に注意して購入しました。また、部屋に観葉植物を置くのも効果があるそうです。皆さんも、お部屋の湿度を40〜50%に保って、風邪・肌荒れ・静電気を予防し、健康に冬を過ごしてください。

hiroshitgic at 16:22|この記事のURLComments(0)

2008年02月06日

五感と第六感

6f2c08ab.jpgこんにちは、中平です。
このところ、中国製の餃子に農薬が混入した事件が世間を騒がせています。昨日新たに判明したところによると、これまで発表されていたメタミドホス以外に、ジクロルボスという別の有機リン酸系の農薬も見つかりました。これは、「異臭がひどくて食べられない」という苦情があって発見されたそうです。口にする前のことで、本当によかったと思います。
匂いを感じるのは、人の持つ五感のうちの嗅覚です。嗅覚のほかに、視覚、聴覚、味覚、触覚がありますね。これらの感覚は、自分の身を守るために大変重要なものです。動物は敵から身を守ったり、捕食したりするために、これらの感覚が大変優れています。身近な動物でも、犬は嗅覚が鋭く、猫は夜間でもわずかな光を取らえる目を持っています。動物に比べれば、人間の五感はずいぶん鈍っているのかもしれません。しかし、人間も動物である以上、わが身を守るためにも、感覚を大切にし、安全で快適に暮らしていきたいものです。
診療においても感覚は非常に大切です。最新の医療機器は、人間の目には見えない小さな異常を見つけてくれますが、生身の患者さんを前にまず行う診療は、医師の五感を使った診療です。(味覚はこの場合、あまりあてはまりませんが)視診、聴診、触診を通して患者さんの状態を把握するのです。
さて、五感に対して第六感というものも聞いたことがあるでしょう。これは五感のように体にある器官を通じて感じるものではなく、突然ひらめいたり何となく感じたりするものです。「虫の知らせ」とか「胸騒ぎがする」というようなものも、第六感と言っていいのでしょう。こうした第六感が人間に存在するかどうかは定かではありませんし、科学的根拠もありません。しかし、長年の経験を積むと、私たちが感じない微妙な変化を感じ取る力が身につくのも事実でしょう。たとえば熟練したそば打ち職人は、その日の温度や湿度に合わせて材料の配合をわずかに変えて、毎日同じ味を提供するそうです。これも、長年の勘によるものでしょう。
私もワンデイインプラント(顎全体に少数本のインプラントを埋めその日のうちに仮歯を固定する方法)を手がけて300症例を超えました。医療の現場では、熟練した技術ではあっても、治療が医師の勘によるものであってはいけません。そこで、私はこれまで治療を行った患者さんの治療データを集め、大学と共同でデータベースを作っています。科学的な根拠に基づいた治療法として、ワンデイインプラントが広く世間に広まるよう努めています。

hiroshitgic at 18:00|この記事のURLComments(2)
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