2007年03月

2007年03月16日

インプラント治療と全身管理(9)〜白衣高血圧症の患者さん〜

こんにちは、歯科医師の西原です。最近は全身管理という立場で患者さんに接する機会が多くなってきました。インプラント治療を希望して来院される患者さんには、今までの健康状態を具体的にお尋ねして全身状態を把握しています。先日も例によってインプラント希望の患者さんへ問診を行いました。特に問題となる病歴もありませんでしたので、いつものように血圧を測定しました。すると、211/108という結果です。もう一度測ると、210/104。更に時間をおいて3回目の測定も199/107でした。つまり、血圧が異常に高いことが判明したのです。患者さんによると、普段は上の血圧が120〜130くらいと言う事でしたが、測定値は明らかに危険な状態にあることを示していました。即刻、患者さん掛かり付けの内科医師と連絡を取って全身状態の再チェックを依頼しました。それは、安心で安全なインプラント治療を行うためには全身状態の把握は必要不可欠と考えているからです。後日、内科医師から「高血圧症」との診断が下りました。なかでも「白衣高血圧症」の可能性大ということでした。白衣高血圧症とは、家庭での血圧は正常であるが病院で測定すると高血圧症を示すもので、医師や看護師の白衣を見ると緊張して血圧が上がることからそのように言われています。しかし、高血圧症の仲間であることには違いないのです。したがってそのままで良いわけではありません。短時間とはいえ血圧が高い状態のまま治療を続行すると、最悪の場合は医療事故につながる危険性があるのです。
こうしたことから、インプラント手術に静脈内鎮静法を用いることにしました。この方法は術中夢心地のような極めてリラックスできる麻酔の一種ですが、これによって何ら問題なく手術は終了しました。静脈内鎮静法による手術中の血圧は、110〜140/60〜80と非常に安定した状態でした。手術を終えた患者さんはとてもにこやかな表情で帰って行かれました。

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2007年03月13日

ワンデイ・インプラントでいつまでもお元気で

こんにちは、中平です。今日、85歳でワンデイ・インプラントを受けた患者さんが、検診に来られました。久しぶりにお会いしましたが、お元気で、以前より若返ったように思いました。
一緒に来られた娘さんにお話を伺うと、「一昨日、台所からなにやら香ばしい臭いがするので覗いてみると、母がするめを焼いて食べていたから、びっくりしたんです」と仰いました。ご本人も「何でも好きなものが食べられるようになったし、何より、家族と同じ食事ができるようになったんですよ」とにこやかに仰いました。家族で食卓を囲んでいながら、噛めないせいで、自分だけ違うものを食べる毎日は、なんとさびしかったことでしょう。また、食事を用意する家族にとっても、大変手間のかかることだったということは、容易に想像できます。しかし、ご本人が「もっともっと健康になりたい、そして食事の楽しみを味わいたい」と強く願い、またご家族もその願いを後押したことで、今日のこの笑顔につながったのだと、感動しました。
患者さんのこの笑顔は、私たちスタッフにも大きな喜びを与えてくださり、大変嬉しく思いました。今年で88歳を迎えられますが、ますますお元気で、美しく、生き生きと暮らしていただきたいと願っています。
MNさん2MNさん1
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2007年03月12日

頬や舌を噛む方へ

こんにちは、中平です。ときどき、患者さんから、「食事中や会話の途中で、頬や舌を噛んで、痛くて困っている」というご相談を受けます。ワンデイ・インプラント治療を受けた方や総入れ歯にした方のように、お口の中が大きく変化した方に多いようです。特に今のように、冬場の寒い時期に集中します。人が食べたり話したり、口を動かすときには、頬や舌は、歯に噛まれないよう、逃げるように器用に動くものです。にもかかわらず噛んでしまうのはなぜでしょう。
その原因はいくつか考えられます。まずはお口の中の環境が大きく変わったため、その変化に対応できていない場合です。また、かみ合わせのバランスが崩れている、かみ合わせの高さが合っていない、など歯に原因がある場合もあります。
しかし、それ以外の原因も考えられます。寒さのために筋肉が硬くなっていることです。寒くなると筋肉は縮まり、柔軟には動かなくなります。例えば震えるほど寒いときに、いきなり全力疾走はできませんね。ストレッチや準備運動をし、ジョギング程度から徐々にスピードを上げていくようにします。それと同じことが顔の筋肉や舌にも言えます。動かす前に準備運動をしたり筋肉を温めたりするといいのです。
お口の周りには口輪筋(こうりんきん)、咬筋(こうきん)をはじめ、さまざまな筋肉があります。これらの筋肉が柔軟に、また互いにうまく連動して動かないと、歯が動いたときに逃げられず、噛んでしまうのです。これらの筋肉を柔軟にするためには、お口を大きく開けたり頬をマッサージしたりするといいでしょう。また、やけどしない程度のお湯やお茶を口に含んで、温めるのも効果的です。こうした準備運動を、寝起きや寒いときに意識して行っていると、頬や舌を噛まずにすむだけでなく、頬の筋肉(表情筋)も鍛えられ、若々しい顔立ちになることでしょう。
噛む力は非常に強く、頬や舌を噛むと、ひどく傷つけてしまいます。そのため、なるべく話さないようにしよう、噛まないようにしよう、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、使わない筋肉は衰える一方です。プロのアナウンサーや歌手も、人前で声を発する前には必ず大きく口をあけて発声練習をするように、私たちも普段から顔の筋肉、特にお口の周りの筋肉を意識して動かしてやりましょう。
しかし、それでもやはり頬や舌を噛む場合は、歯科医院で相談してみましょう。

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2007年03月06日

インプラント治療のセカンドオピニオン

こんにちは、中平です。
セカンドオピニオンという言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。病気の診断・治療について、かかりつけの主治医の先生だけではなく、他の先生にも意見を聞くことです。インプラント治療においても、このセカンドオピニオンは必要です。
一般の方はあまりご存じないかもしれませんが、歯科医師がみんな、インプラント治療について詳しいわけではありません。大学でインプラントについての講義が始まったのも、つい最近のことです。歯科医の先生方は、卒業後、独自に勉強して習得していっているのです。ですから、知識も経験も、先生によってそれぞれ違います。歯科治療も様々な種類があり、先生によって、得意とする専門分野が違うのです。
インプラント治療を受けようと考えている方は、いろいろな先生の意見を聞いてほしいと思います。特にワンデイ・インプラントのような、インプラント治療の中でも最新の治療を考えている方には、絶対に必要なことだと思います。
セカンドオピニオンとして主治医以外の先生に意見を求めるときは、次の3点が聞けるよう、注意することが大事でしょう。
1.口全体を見た意見・・・咬み合わせやバランスなど、歯の1本1本だけではなく全体を見た意見
2.専門的な意見・・・インプラント治療に精通した先生の意見
3.治療の反対意見・・・インプラント治療はすばらしい治療法ですが、誰にとっても最適の治療法とは限りません。他の治療法の方がよい、という場合もあるかもしれません。その根拠も踏まえた反対意見
以上のような意見を聞けるよう、事前に質問を用意して、何人かの先生に診てもらうのがいいと思います。そして、いろいろな意見の中から、本当に一番いい治療法は何か、ご自分の希望に合う治療法は何か、判断してください。主治医の先生を信用していないようで、聞きにくい、と思われる方もいるでしょうが、そんなご心配は要りません。一番大切なのは、患者さんの病気(不具合)が治療(改善)され、健康を取り戻すことですから。最もよい治療方法を、患者さんご自身で選んでいただきたいと思います。

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2007年03月04日

インプラント治療と全身管理(8)

こんにちは、歯科医師の西原です。3月4日はDr.ナカヒラによるインプラント手術を二例行いました。一症例目の患者さんは30代女性の方でした。右上顎に骨を造成する手術(サイナスリフト)とインプラント埋め込みを同時に行うもので、静脈内鎮静法(リラックス治療)を併用しました。腕に点滴をしながら鎮静薬を使い、患者さんが十分リラックスされた時点で手術を開始しました。手術中は常時、血圧・呼吸・意識状態を測定監視します。約1時間余りで手術はパーフェクトに終了しました。「手術は終わりました。」と、いつものように声をかけると、患者さんは驚いた表情で目の前の時計を見つめました。「こんなに時間が経過していたのですね。15分くらいに思いました。」と楽に手術を終えたことに大変満足されたご様子でした。
二症例目は60代女性の方でした。不整脈があり心臓に不安を抱えている患者さんです。手術を安全に遂行するためには術中の全身管理がポイントです。事前に全身状態をしっかり把握した上で、必要なモニター・酸素等を準備して行いました。鼻から酸素を投与し、心電図・血圧・呼吸状態等の監視のもとにDr.ナカヒラが執刀しました。医師2名で万全の体制をとったことによって、患者さんにはすっかり安心して手術を受けられたと、感想を語っていただきました。
私達は、インプラント治療における全身管理とは、外科的な刺激から患者さんの身と心の安心、安全を守ることだと考えています。点滴をしたり静脈鎮静をしたりするのは、全身管理の中のオプションの一つに過ぎません。大切なことは、患者さんに安心かつ安全なインプラント手術を提供することなのです。今後も日々研鑽を積み、質の高い医療を提供して参ります。

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2007年03月03日

歯槽膿漏(歯周病)とインプラント治療

こんにちは、中平です。
歯周病という言葉は、もう皆さんご存知と思います。文字通り「歯の周りの病気」で、虫歯と並んでお口の中の二大疾患です。歯周病を引き起こす原因は、歯の表面につく細菌の塊である歯垢(プラーク)です。その細菌が産生する酸によって歯ぐきに炎症を起こり、歯と歯ぐきの間に歯周ポケットという隙間ができていきます。ここにどんどんプラークがたまり、歯ぐきの炎症はさらに奥深く、歯の根の方へと進みます。そして歯を支えている骨(歯槽骨)が溶かされ、歯がグラグラし始め、膿が出るようになります。さらに悪化すると、歯は抜け落ちてしまいます。
歯周病の予防は、毎日の歯磨きと、定期的な歯科医院での口腔内清掃です。しかし、どんなに気をつけていても、体質や加齢によって、どうしても防げない場合もあります。根気よく治療を続けて、改善される場合もありますが、治療の甲斐なく、歯を失う方もいらっしゃいます。
このような方からよく、顎の骨が痩せてしまったから、インプラントはできないのではないか、と聞かれます。
結論から言うと、できます。骨が痩せていても、骨の質のよい部分に適切なサイズのインプラントを埋めることで解決できます。しかし、ここで大切なことは、歯周病がひどい状態のままでは、インプラント治療はできない、ということです。
歯周病に冒されている部分の歯は抜き去り、その周辺の状態を良くしてからであれば、インプラント治療は可能です。歯槽膿漏がひどく、歯がグラグラして抜けそうな方は、我慢しないで早く処置した方がいいですね。

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2007年03月02日

夢をかなえる

こんにちは、中平です。私は患者さん向けに、また歯科医師向けにセミナーや講演をする機会がありますが、その時によく話すことがあります。それは、「皆さんがかなえたい夢はどのようなことですか。手に入れたいものは何ですか」ということです。そうすると様々な意見が聞かれますが、大きく分けると、次の4つに分けられるようです。
一つは資産(お金・物)です。例えば家を建てたい、車が欲しい、二倍の収入がほしい、貴金属を手に入れたい、宝くじが当たらないか、ボランティアに寄付がしたい・・・といったことです。
二つ目は良好な人間関係です。 職場、学校、家族、男女など、私たちを取り巻くいろいろな人間関係を良くしたい、改善したい、という希望です。
三つ目は時間です。ゆったりとした自分の自由になる時間がもっと欲しい、好きなことに打ち込む時間が欲しい、といった時間に関することです。
そして四つ目が健康です。自由に動く体、好きなことができる体、ほがらかな心、悩みやストレスを抱えない心、など、体と心の健康です。
これらがバランスよく得られることで、私たちは幸せになることができると思います。
でもこれらのうちどれか一つだけ得られるとしたら、何をあげますか?と聞くと、ほとんどの方が「健康」を選びます。私たちの考える「幸せ」の土台には、まず「健康」があるのではないでしょうか。そして、その上にお金、人間関係、時間などが重なって幸せを感じるのではないでしょうか。
私たちは歯の治療を通して、皆さんの健康に貢献したいと思っています。歯を失ったり入れ歯が合わなかったりして、思うように食べられない方は、偏った食事をすることで、栄養が十分に摂取できていないでしょうし、精神的にもストレスを抱えているでしょう。また、見た目に恥ずかしくて、消極的になったり笑わなくなったりというようなこともあるでしょう。咬み合わせが悪くて頭痛や肩こりに悩まされることもあるでしょう。
このような方がインプラント治療で改善し、見た目にも美しくなって自信を回復することができれば、きっと有意義な人生を送ることができると思います。私たちは、一人でも多くの方に、幸せを手に入れていただきたい、そして夢をかなえていただきたいという気持ちで、治療に取り組んでいます。

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2007年03月01日

インプラント治療と全身管理(7)

こんにちは、歯科医師の西原です。先日は78歳、高血圧症で普段から血圧を下げる薬を服用している患者さんのインプラント手術に、静脈内鎮静法という麻酔を用いました。全身疾患を抱える患者さんに対しては、手術中の全身状態の監視はとても大切です。手術前の血圧は高めでしたので、腕に点滴をしながら同時に鎮静薬を使い、徐々に血圧を下げて患者さんの体調がリラックスしたところで手術開始です。およそ1時間の手術中は、血圧・脈拍・呼吸は安定し、Dr.ナカヒラによるワンデイインプラントもパーフェクトに終了することができました。その後は鎮静薬をストップすることによって、少しずつ目を覚まさせていきます。患者さんに「手術が終わりましたよ。」と声をかけると、目を開けた患者さんは「もう終わったのですか、これから始まるのかと思った。」と、とても不思議がっていました。この患者さんは手術中、終始夢心地の状態が続いていたようです。全ての患者さんがこのような状態に至るとは限りませんが、静脈内鎮静法を用いることで緊張がほぐれ、リラックスして手術をうけることが可能なのです。以前、別の患者さんに当該治療を行なった際に感想を伺ったときは「手術中の様子は意識にあった。しかし不安感、恐怖感は全くなかった」とのことでした。このように静脈内鎮静法の効果に個人差はありますが、いずれの患者さんも気楽にインプラント治療を受けられて、極めて満足して帰っていただきました。これからも質の高い医療を提供できるよう更なる研究を重ねて参りたいと思います。
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