2006年11月

2006年11月28日

インプラント治療と全身管理(5)

中平歯科医院、歯科医師の西原正弘です。今回Dr.ナカヒラが執刀した患者さんは、以前に心臓弁置換の手術を受けており、心房細動を合併しているご高齢の方です。降圧利尿薬とワーファリンが内科より処方されており、今回の全身管理には特別な準備と注意を必要としました。このようなリスクの高い症例を成功へと導くためには、チームアプローチ、リスクマネージメント、コミュニケーションなど、医院としてバランスのとれた総合力が求められます。
患者さんにとっての医療は大きく2つに大別されると思います。つまり、心臓手術のような延命を目的とした医療と、インプラント治療のようにQOL(Quality Of Life)の向上を目的とした医療です。もちろん生命をむやみに危険にさらすことは断じて避けなければなりませんが、だからといって何もしないのが賢明であるともいえません。全身疾患を抱えたすべての方が大丈夫だという事ではありませんが、それぞれの患者さんの全身評価を確実に行い、安全にインプラント手術ができるような全身管理の方法を探り、それを患者さんやご家族の方にもわかりやすく説明させていただくことこそ大切だろうと思います。これらは、私達が一つの医療チームとしてインプラントに取り組んでいるからこそ可能であると自負しております。

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2006年11月27日

インプラント治療の落とし穴

インプラント治療も少しずつ普及しており、特に手術当日に仮歯を固定する「イミディエート・ファンクション」を希望される方も随分増えたように思います。私も最近では、多い月で20症例前後のイミディエート・ファンクション(ワンデイ・インプラント)を行っております。これは、まったく歯のない総入れ歯の方や、ほとんど歯のない方が一日で噛めるようになるので、大変喜ばれています。しかし、ここには落とし穴があるのです。
以前は私も、失った歯のところにインプラントを補う、という治療方法をしていましたので、総入れ歯の方には10〜12本のインプラントを埋めていました。しかし近年、4〜6本のインプラントで、十分に支えられることがわかりました。本数が少なければ、費用も身体の負担も軽くすむので、患者さんにとって歓迎すべきことです。しかし、この4〜6本のインプラントを埋めるためには、非常に高度な技術が必要なのです。CTで精密に診査した上で、骨質がよく、骨量を確保でき、噛む力を十分に支えるようバランスの良いところを選んで、慎重に埋入しなければいけません。医学は日進月歩とは言え、この技術を習得するのは、一朝一夕にはいきません。永い治療経験と数多くの臨床経験が必要なのです。そういう意味では、イミディエート・ファンクションの欠点は、熟練した技術力をもつ歯科医が必要であること、ということになるでしょうか。
イミディエート・ファンクションのメリットばかりに目を奪われ、安易に取り掛かると、大変なことになりかねません。これは、術者も、メーカーも、患者さんにも、言えることです。
イミディエートの落とし穴
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2006年11月23日

インプラント治療と全身管理(4)

中平歯科医院、歯科医師の西原正弘です。22日はDr.ナカヒラによる下顎臼歯部4本のインプラント手術において、静脈内鎮静を担当しました。女性の患者さんの御希望は、手術は痛みなく不安や恐怖感の無い状態で楽に受けたいとの事でした。血圧・脈拍・心電図を常時監視し、鎮静薬を使って気分を落ち着かせてリラックスした状態を保ちながら、約1時間のインプラント手術は無事に終わりました。希望どうりの結果が得られたとのことで、その患者さんにはとても満足いただけたご様子でした。
歯科医院を訪れる患者さんが一番望む結果とは、「審美的・機能的に今よりも満足できるお口の状態を得たい」という事だと考えます。医院を訪れる動機はさまざまですが、単にインプラントのネジを埋め込んでもらいたいわけでは無いし、麻酔で眠りたいわけでもありません。したがって医療者は、インプラント治療とは患者さんが望む結果を得るための「一つの手段」に過ぎないという認識を常に忘れてはいけないと思います。静脈内鎮静法というリラックス治療も、「一つの手段であるインプラント手術」を安全かつ快適に受けられるようにする為のオプションの一つなのです。
各分野の専門家が結集した医療チームは、患者さんの求める結果を与えるという目標に向かって一丸となったとき、はじめてチームアプローチとして素晴らしい効果を発揮するのではないかと思います。Dr.ナカヒラを中心とした私たちの医療チームは、一番大切なこの目標をいつも再確認しながら日々診療にあたっています。

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2006年11月13日

最近の臓器移植問題にからんで

中平歯科医院、歯科医師の西原正弘です。腎臓移植問題が新聞やニュースで取り上げられています。この問題の根本は、臓器を希望する患者さんに対して臓器提供が追いつかないという現状にあります。つまり、健康になりたい人はたくさんいるのに、その希望を叶えることができない残念な状況と言えるのではないでしょうか。もしも、腎臓を人工臓器で置き換えることが出来れば、この問題は一気に解決することでしょう。
医学の進歩はめざましいものがありますが、腎臓や肝臓といった複雑な機能を果たす臓器を人工的に作り出せる日が訪れるのは、まだまだ遠い未来の話になりそうです。代わって、自分の細胞を使って臓器を復元させようとする再生医学の研究もすすんでいますが、実際の臨床に応用されるまでにはやはり時間を必要としています。そう考えると、インプラント治療は人工臓器としては最も優れた治療のひとつであり、一般に広く認知された確実な方法と言えるのではないかと思います。
しっかり噛んで食事をすることが健康の基礎であることは言うまでもありません。幸いなことに、万一大切な自分の歯を失っても、インプラントという人工臓器が大切な健康を支えることが可能な時代です。人工臓器ですからいくらでも作り出せますし、今すぐにでも健康を望む人の希望を叶えることができます。一人でも多くの、歯を喪失して悩んでいる方々に、この恩恵を実感していただきたいと願っています。

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